震え上がって、オシッコがちびりそうになったエイリアン2

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 今はシネコンが北見にあるので、新作映画が新作の内に見る事が出来る。そんな事が当たり前に考えてしまうが、30年前はというと、数ヶ月から半年ぐらい遅れて日本の東端まで新作映画がやってきた。
 斜里近辺で一番近い映画館は網走のオホーツク劇場。斜里の人間は映画を見るために汽車、もしくは車で約1時間ほどかけて網走に行かなければ映画を見る事が出来ない。しかも数ヶ月から半年遅れのロードショー。当時は田舎だから、半年遅れなんて当たり前だと思っていた。

 さて、1986年といえばオレが自宅で浪人生活をしていた頃。宝島なんかの雑誌で春には、「エイリアン2」が物凄く面白いなどと取り上げられていたが、その映画が網走にまで到達したのはもうどっぷりと秋の10月。桜前線より遥かに遅い、ロードショー前線。
 そんなわけで、時間はたっぷりある浪人生。待ちに待ったエイリアン2の封切りを網走まで見に行った訳だよ。

 朝10時に網走の繁華街のど真ん中にあるオホーツク劇場に着く。平日のこんな時間だから、誰も客がいない。っていうか、こんな地方都市で平日の午前中から映画を見られる人間なんているのだろうか? 入り口には、もぎりのおばちゃんもいない。奥の事務所にに声を掛けると、おばちゃんがやってきて「小銭を今用意しているから、代金は後で良いから先に場内に入っててくれ」と言う。だだっぴろい場内にいるのはオレただ1人。気分は貸しきりだ。さあこれからどんなワクワクする映像を見られるのだろうと期待に胸を膨らませた。

 映画が始まって数十分、だんだんと足腰が冷えてきた。ここらで10月と言えば、日中でも最高気温は10度以下の日が多い。まして誰もいない劇場だから、暖房なんかつけてくれず、冷えがだんだんと体に浸透してくる。スクリーン上のリプリー達とエイリアンの戦闘はどんどん激しさを増して行くが、オレはと云うと寒さがどんどん激しさを増して行く。
 少しでも暖かくなろうと手足をこするので、映画に集中できない。そのうち尿意がだんだんと高まって行くが、映画の方はクライマックスに。オレの膀胱もクライマックスだ。エイリアンとの戦いよりも、寒さと尿意との戦いのせいで、オレはちびりそうに震え上がったわけだよ。ちっとも楽しめた気がしなかった

 さて、それから5年ぐらい経った時に、飯田橋の名画座、佳作座でエイリアン祭りを開催するというのをぴあで見つけた。エイリアン1と2の同時上映会。傑作SFの2本立ては見逃す訳には行かない。
 ともに少々古典になりかかっている映画にも関わらず、劇場内は若い人でいっぱいだった。特に女性が多い。エイリアンが突然現われる! 人間に襲いかかる! その度キャー! キャー! とあちこちで叫び声が響き、最高の環境。網走で寒さと戦いながら見たエイリアン2は何だったんだ? 息付くヒマも無いアクションの連続と、キャー! キャー!で、観客もノリノリ。これまで見たどの映画よりも楽しめた。映画は環境が大事だ。

 そんな思い出の多い網走のオホーツク劇場はもう20年ぐらい前に閉館。建物はまだ残っているものの、そこがかって映画館だったなんて面影は全くない。

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by kararachan | 2017-04-20 19:10 | 映画 | Trackback | Comments(0)
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