音楽からオレのところにやって来る The Subways


 北海道に帰ってきてから数年後の2000年ぐらいから再び一人暮らしを始めたんだよな。しかも斜里の市街から15kmも離れた斜里岳山麓地区に。そこは敷地面積600坪の離農した農家の空き家で、深夜の1時にギターを大音量でかき鳴らしても誰からも苦情がこない所だった。一番近いお隣さんでも最低300mは離れていたな。その家はTVのアンテナが無かった。アンテナを付けるのが面倒だったので(ずいぶんと背の高いアンテナが必要だったのだ)、そのかわりCSアンテナを取り付けてスカパーだけは見ていた。
 ちょうどその頃くらいから、新しい音楽に対して興味が急速に失せて、それまで惰性で読んでいたロッキンオンの購読も止めてしまった。15歳から読んでいたので、約20年間購読していた事になる。その頃のロッキンオンは1年後には消えてなくなるようなバンドを、ロックの救世主現る! みたいに誇大にもちあげる記事ばかり。そんな編集方針に飽き飽きしていて、買っても半分以上のページは読み飛ばしていたなぁ。

 そんな状態だったけれども、CSでは音楽関係のチャンネルだけは契約していて、見るとは無しに家に居る時はそんなチャンネルを付けっ放しにしていた。そんなある日、TVからワクワクするドラムのビートが流れてきた。上半身裸のあんちゃんが、ただ黙々とシンプルなビートを全身全霊を込めて叩いている。まるでキャシャーンが、ツメロボをパンチで破壊するように。

Oh yeah / The Subways

 これが2005年頃で、殆ど新しいものを受け付け無くなっているオレがこの時ばかりは興味をかき立てられた。シンプルなビート。装飾も何もない、確信に満ちたその曲。それがThe SubwaysのOh yeahだった。渋谷陽一ならロック初期衝動がどうとかと云いそうだ。彼らの曲は抗いようもなく、すーっとオレの心に届いたね。

Rock'n Roll Queen / The Subways

 彼らの音を聞いていると、なんだか子供の時分の音楽に目覚めた頃の聴く楽しみが蘇ってくる。演奏する事が、歌う事が楽しくて楽しくてしょうがない、そういう生き生きとした感情がダイレクトに曲から伝わってくる。ロックって本来こういうものだよなぁって、聴いていてシミジミするねぇ。

 そんな彼らもデビューから10年以上たち、中堅どころになってしまったが、今もぶれずにシンプルなロックンロールを奏でている。Nirvanaに影響されたと言うけれども、あのバンドの様な暗さがないのがいい。惨めったらしいうたは直に飽きる。そしてアメリカのロックバンドの様な馬鹿能天気さがない、これぞ純英国産ロックバンド。メロディーが命です! でも歌詞に深みはないけどね。

good times / The Subways

 同じ単純なロックバンドと云えば、Ramonesを思い出す。あのバンドも一時ずいぶん熱中していて、来日ライブなんか5度くらいは行っているのだが、今じゃ全く聴かなくなってしまった。単純過ぎるんだよね、残念ながら。彼らは10年以上聴き続けられなかったな。でもSubwaysは今でも飽きずに聴けるのは何故なんだろう?


 前からオレは気がついていたんだけど、オレが聞くべき良い音って云うのは向こうからやって来るんだよな。必死になって探しても、そういう音は見つからない。でもオレが聞くべき音は、そうやって入り口を開けていれば、必ずオレのところにやって来るって思っている。チャットモンチー、The Kooks、ハルカトミユキ、最近ではKrishna Das。みんな思いもかけないところから、するっとオレの心にやって来る。だから今は毎月ロック雑誌を購読して、隅から隅まで必死に読んで面白い音がないかなんて探し回らない。良い音の方からやって来るのだから。でも、入り口を開けておく事だけはお忘れなく。

[PR]
by kararachan | 2017-08-15 10:15 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://karara.exblog.jp/tb/25323801
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
<< Queen Victoriaは... Rebert Fripp先生と... >>