ザ・モップス 日本のロック黎明期の奇跡の一つ

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 こないだ取り上げたコンピレーション・アルバムの中身でも触れたけど、日本のロックの黎明期にザ・モップスというバンドがあった。
 オレがこのバンドを初めて知ったのは、たぶん渋谷陽一のサウンドストリートだと思うんだけども、もう定かじゃないな。

 その当時は(1980年代半ば)、ぱっとしない俳優としか認識していなかった鈴木ヒロミツがロックバンドのボーカルだったと知った時は驚いたね。そのころ日本のロック黎明期の再評価みたいな事があって、ジャックスだけではなく、ザ・モップスのレコードも廉価版で発売された。オレが手に入れて、初めて彼らの音を聞いたのはそういうレコード。「モップスと16人の仲間」というアルバムだった。
 帯には「鈴木ヒロミツが歌わないのは犯罪である」という渋谷陽一のお言葉が書かれていた。冴えない俳優の鈴木ヒロミツはいったいどういう歌手だったのか? 聴いて納得。これは、こんなボーカリストが歌わないなんて、無期懲役刑にしても良いほどだ! 後智慧で日本初のサイケバンド、GSの異端児なんて云われていたことを知ったが、彼らこそ正統な日本のロックの王道だと思う。オレは彼らの活動全部を詳細に知る訳じゃないが、ヘラヘラしたGSバンドの中ではこんな王道の音なんか出されちゃ、そりゃあ浮くわな。

たどり着いたらいつも雨ふり / ザ・モップス
 
 これは吉田拓郎作の曲なんだけども、ザ・モップスの代表曲の一つ。とにかくずぶとい星勝のギター音、そしてそのギターに負けじと迫力のボーカルを聞かせる鈴木ヒロミツ。もう暑苦しくって最高。


 御意見無用 / ザ・モップス

 これまた暑苦しいナンバー。まだ日本にロックシーンなんてものがほとんど無いような状態で、なんで星勝はこんなセンスのあるギターリフを引く事が出来たんだろう。もう奇跡だと思う。練習すりゃあいくらでも速弾きなんかできるが、このリフのセンスは練習したって身につける事なんか出来ない。今と違い、海外情報の乏しいこの時代に、輸入盤やラジオやなんかで、必死に海外の音を取りこんでいたんだろうか? 曲の後半が、民謡のリズムになるのだが(阿波踊り?)、ハードロックのリフトなんとまあ相性のいい事。


月光仮面 / ザ・モップス

 まだロクなシーンすらない日本のロック黎明期に、ジャックスやザ・モップスみたいな、海外のロックに決して見劣りする事が無い、超個性的なバンドがこの時代に生まれたのはとても興味深いと思う。この時代、大概のものは海外のロックの物まね、パクリ、コピーバンドばかりだったのに、彼らは違った。もちろん影響を受けてはいるけれども、その影響をちゃんと消化して自分の血肉として昇華させて、オリジナルの音を作り出していた。ギターをただ歪ませればロックじゃないんだよ。そこに創造、自由がなければ。
 中高生時代に、こういう昔のロックバンドを発掘していて、日本のロック黎明期の奇跡にオレは驚かされた訳だ。


朝まで待てない / ザ・モップス

 それにしても鈴木ヒロミツが若くしてなくなったのは、とても悔やまれる。そして本格的にボーカルとして復活しなかったのが残念でならない。鈴木ヒロミツ2007年没。

 最近このブログのアクセスを伸ばそうと色気を出しているのだが、その割には取り上げるバンドがザ・モップスじゃ、アクセス急増は望めないね。
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by kararachan | 2018-05-14 17:04 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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